変圧器がいないと私たちの生活は立ち行かない!?

2025年4月11日更新

こんにちは、東京都世田谷の変圧器・トランスの設計・製造・販売の「富士見電機製作所」スタッフです。

早くも4月が10日も経ってしまいましたが、皆様いかがお過ごしですか?

日中は随分暖かくなってきて春めいた気候ですが、朝晩はまだ寒いということもあるので体調管理にお気を付け下さい!
さて今回は弊社が設計・製造・販売をおこなっております「変圧器」に関して2週にわたりご紹介していこうと思います。

皆さんのご家庭には、たくさんの電気製品がありますよね。

テレビ、冷蔵庫、スマートフォン、パソコン…これらは全て電気の力で動いています。

でも、その電気は一体どこから、どのようにしてやってくるのでしょうか?

そして、なぜコンセントに挿すだけで、色々な電化製品が使えるのでしょうか?

実は、その裏側には、まるで魔法のような働きをする装置が存在しているのです。

それが今回の主役「変圧器」です!

電圧の違いがもたらす問題

発電所で作られた電気は、非常に高い電圧で送られてきます。

なぜそんな高い電圧で送る必要があるのかというと、送電線での電気のロスを少なくするためなんです。

例えるなら、細いストローで大量の水を送ろうとすると、途中で抵抗が大きくなってしまうのと同じ。電圧を高くすることで、効率よく遠くまで電気を運ぶことができるのです。

しかし、この高い電圧の電気をそのまま家庭で使うのは非常に危険です。

私たちの身の回りにある電化製品は、それぞれ安全に使える電圧が決まっています。

例えば、日本の家庭用コンセントの電圧は約100V(ボルト)ですが、海外では200V以上の国もあります。

もし、100V用の電化製品を200Vのコンセントに繋いでしまったら…

想像するだけでゾッとしますよね。

故障の原因になるだけでなく、火災や感電といった重大な事故につながる可能性もあるのです。

変圧器の登場 - 電圧を操る魔法の箱

そこで登場するのが、「変圧器」というわけです!

変圧器は、高い電圧を私たちの家庭で安全に使える電圧に下げたり(降圧)、逆に低い電圧を高い電圧に上げたり(昇圧)することができる、電気の変身マジシャンのような役割を果たしています。

その見た目は、地味で無骨な金属の箱だったり、電子機器に内蔵されていて目立たないものだったりと様々ですが、その働きは私たちの生活を根底から支える、まさに縁の下の力持ちなのです。

変圧器の仕組み - コイルと磁気の不思議な関係

では、この変圧器は一体どのようにして電圧を変えているのでしょうか?

その秘密は、「電磁誘導」という物理現象と、「コイル」と呼ばれる電線を巻いた部品にあります。

変圧器の中には、主に二つのコイルが入っています。

一つは「一次コイル」、もう一つは「二次コイル」と呼ばれます。

この二つのコイルは、電気的には直接繋がっていませんが、鉄心と呼ばれる金属の塊を介して磁気的に繋がっています。

一次コイルに電気を流すと…
一次コイルに交流の電気を流すと、その周りに時間とともに変化する磁界が発生します。

磁界の変化が二次コイルに影響を… この変化する磁界が、二次コイルを貫くことで、二次コイルにも電気を流そうとする力(誘導起電力)が発生します。

これが電磁誘導の原理です。

巻き数の比率が電圧を決める!
ここで重要なのが、一次コイルと二次コイルの巻き数の比率です。

もし、二次コイルの巻き数が一次コイルの巻き数よりも多ければ、二次コイルには一次コイルよりも高い電圧が発生します(昇圧)。

逆に、二次コイルの巻き数が少なければ、低い電圧が発生する(降圧)というわけです。

まるで、異なるギア比の自転車のチェーンのようなイメージでしょうか。

ペダルを同じように漕いでも、ギアを変えることでタイヤの回転数が変わりますよね。

変圧器も、コイルの巻き数というギアを変えることで、電圧という電気の力を変えているのです。

いかがでしたか?!

今週はここまで!

来週は「身の回りの変圧器」についてご紹介していこうと思います。
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